このようなお話もありました。
しばしば紙面を賑わせているブラック企業という言葉には、私も非常に高い関心を持っています。
何を隠そう私が在籍している企業も賃金未払い問題を抱えており、従業員から訴えを起こされているまっただ中です。
さらに、故人を偲ぶために欠かすことができない葬儀社も中にはブラック企業と呼ぶに相応しいところが存在しているようで、スタッフ同士のいざこざを目の当たりにした過去があります。
学生時代の友人の葬儀に参列した私は、二日間の貫徹業務をやり遂げてフラフラの状態で会場に向かいました。
この上なく丁寧な対応をスタッフがしてくださり、きっとこのような企業は従業員全てが大切にされているのだろうと信じて疑いませんでした。
僧侶がお経を唱え終わったあとで会場にトラブルが発生したようで、一時的に葬儀が中断してしまいました。
私は重苦しい空気が好きではないので会場から離れた場所で休んでいると、何やらスタッフ同士が口論している様子が目に飛び込んできました。その内容は営業ノルマについてで、激しく主張している人物の論旨に私は納得せざるを得ませんでした。
過酷な営業ノルマを課せられているのは私も同じなので、ついつい聞き入ってしまったのです。
最終的には営業ノルマに耐えかねたスタッフが泣きながら逃げ出してしまい、葬儀は波乱の展開を迎えるのだろうと感じました。
しかしながら、葬儀は滞りなく終わったのです。
どんな仕事でも従業員の代わりはいくらでもいると実感しました。
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