最後の別れ

葬儀・告別式が終わったら、遺族や故人と親しかった人は、最後の対面をします。
葬儀社が祭壇から棺を下ろし、頭が北を向くように置いて、棺のふたを開けます。
祭壇の供花から摘んだ花(別れ花)を用意してくれるので、遺族や近親者などの手で遺体の周りをその花で飾ります。
納棺のときに入れ忘れた故人の愛用品などがあれば入れます。
最後の対面の問、会葬者は外に出て出棺を待ちます。

釘打ちの儀

お別れがすんだら、棺のふたを閉じ、「釘打ちの儀」を行います。
葬儀社が半分打ち込んだ釘を、頭から足のほうに向けて順に石で打ち込んさんずでいく儀式で、石は三途の川にある河原の石を意味し、故人が無事に三途の川を渡れるように祈りが込められています。
釘打ちは、喪主、遺族、友人の順に各人が釘を2回ほど軽く打ちます。
しかし、最近は釘打ちを省略する傾向にあります。

釘打ちの儀

出棺と喪主のあいさつ

葬儀社が釘を完全に打ち込んだら、棺を霊枢車に運び、出棺となります。
棺は近親者や友人など、男性6人の手で運ぶのが一般的です。
自宅で葬儀が行われた場合は、死者の霊が戻ってこないように玄関を避けて縁側から出棺したり、故人が使っていた茶碗を制るなどの慣習がある地域もあります。

棺を霊枢車に納めたあと、喪主が見送りの会葬者にあいさつをします。
葬儀・告別式の最後に行った場合は、これを省略します。
喪主があいさつをしている聞は、喪主の代理が位牌を持ちます。
他の遺族もあいさつの間、会葬者のほうを向いて立ち、あいさつが終わったら深く一礼します。

納めの式

火葬場に着くと、係員が棺を寝台車や霊柩車から降ろします。
その際に、喪主は係員に火葬許可証を渡します。
葬儀社が預かっている場合は、葬儀社が代行してくれます。
火葬炉の前の仮祭壇(小机)に棺を安置し、故人と最後のお別れをします。
これが「納めの式」で、仮祭壇には位牌と遺影を飾ります。
香炉、燭台などは火葬場で用意してくれま少、す。
僧侶が同行しているときは、読経を上げてもらいます。
その間、喪主から順に同行者全員が焼香します。
僧侶が同行していない場合は、火葬場専属の僧侶が行うか、係員の指示で焼香だけを行います。
火葬場が混み合っているときは、速やかに行いましょう。
納めの式が終わると、棺が炉に納められ、点火されます。
そのときは全員が合掌して見送ります。
火葬には、通常、1時間ほどかかります。

控え室での接待

火葬の間、遺族や同行者は、控え室に移動し、待機します。
控え室で待っている間、遺族は茶菓で同行者をもてなします。
売店があればそれを利用すればいいですが、ない場合は、遺族があらかじめ菓子、飲み物などを用意しておきます(時間によっては人数分の弁当などを葬儀社に依頼して用意することもある)。
遺族が自分で用意するのは大変ですから、世話役が手配するよう頼んでおきましょう。
控え室では、僧侶に最上席に座ってもらい、その後ろに位牌と遺影を置きます。

喪主は僧侶の隣でもてなします。
なお、接待で出たゴミは、最近は持ち帰るところが多くなっています。

骨揚げの作法

火葬が終わり、係員から連絡があったら、遺族と同行者は炉の前に集まり(火葬場によっては別室に移動)、遺骨を骨量に納める「骨揚げ」(拾骨)を行います。

骨揚げは、喪主から順番に二人一組になって、係員の指示に従いながら行います。
骨揚げ用の箸で、足の骨から腕の骨、腰骨、背骨、肋骨、歯、頭骨と、足から頭に向かって拾い上げ、順に骨査に納めていきます。
こうすることで、故人が壷の中で立った状態になります。
最後に、最も故人と血縁の深い人がのど仏の骨を拾い、納めます。
骨揚げは、全部の骨を拾うところと、一部のみを拾うところなど、地域によって習わしに違いがあります。
西日本は一部の骨のみを拾うケlスが多く、骨査も小さいようです。
残った骨は火葬場で埋葬してくれます。
遺骨を納めた骨査は、係員が白木の箱に入れ、白布に包んでくれます。
遺骨は喪主が両手で抱えて持ち、遺族が位牌と遺影を持って、喪主の車を先頭に帰宅します。

収骨

火葬許可証は大切に保管

火葬が終了すると、火葬管理者は、事前に提出した火葬許可証に火葬ずみの証明印を押して戻してくれます。
これは、そのまま埋葬許可証となります。
遺骨を埋葬する際、これを墓地管理人に提出することになるので、骨壷に一緒に入れるなどして、大切に保管しましょう。

火葬場での心づけ

霊枢車の運転手や火葬場の係員へは心づけを渡す習慣がありますが、最近は殆ど廃止されています。
ただし、地域によってはその習慣が残っているところもあるので、葬儀社に確認し、渡すべきときは用意して渡します。
ただし、公営の火葬場では心づけは禁止されているので不要です。

分骨するとき

菩提寺とは別の場所に、遺骨の一部を納骨する乙とを「分骨」といいます。

また菩提寺が遠く、近くの墓地にも納骨したいというときにも分骨します。
分骨を希望するときは、別に骨壷を用意しなければなりません。

あらかじめ葬儀社にその旨を伝えておけば分骨用の小さ骨壺と錦袋を用意してくれます。

忘れずに伝えておきましょう。
骨揚げの際に分骨する場合は、火葬場の係員が分骨用の遺骨をより分けてくれます。
納骨には火葬(埋葬)証明書が必要ですが、役所で発行する火葬許可証は1通のみです。

(これが火葬証明書・埋葬許可証になる)
2か所に分骨する場合、火葬場(管理者)に埋葬許可証を2枚交付してもらいます。
葬儀社に分骨の意向を伝えておくと、分骨用の骨壷の手配とともに、理葬許可証発行の手続きを火葬場に依頼してくれます。
また、遺骨の一部を散骨するときも、葬儀社にその旨を伝えておくと、別の袋などにより分けてくれます

遺骨を手元に置く方法

散骨するときは、砕骨代行サービスなどを利用して、遺骨をパウダー状にします。
パウダー状にすると、その容積は半分以下になるので、大きな骨壺でなく、故人が愛用していた容器や好みの容器に入れ替えて、コンパクトに保管できます。

業者に依頼すると、火葬時に混入した不純物を取り除き、きれいなパウダー状にされ、ガラス状の密閉容器などに納めてくれる場合もあります。

あるいは、パウダーはプレートやペンダントにすることもできます。

故人といつも心のつながりを感じることができるなどと、偲ぶ方法の一つとして最近利用されることが増えています。

手元供養

 

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