親戚付き合いについて
少し愚痴になってしまうかもしれませんが聞いてほしくてメールしました。
相談したい事は、
近くに住んでいる大叔父のことです。
私の父の兄の葬儀の時に、
私は手伝いで行っていたのですが、
大叔父がすべてを仕切って、
私のいとこにあたる彼女はまるでこき使われているようでした。
後から話を聞くと、
とにかく立派にさせたがるというか、
葬儀社まで大叔父が連れて来たからかもしれませんが、
「これくらいにしておけ」などと見栄を張りたがって大変だったそうです。
もちろん、
口出しはすれども金は出さないという人です。
気に入らないとすぐに怒鳴るので、
誰も意見できません。
私の母の葬儀はまだまだ先のことだと思いますが、
このままでは、
私の家も同じような目に這うのが決まり切っています。
父本人も大叔父の仕切りで派手になるのは嫌がっていて、
私には「こぢんまりとして欲しどと言います。
ですが私がもし、
いとこのような立場だったら、
大叔父の仕切りに反抗するのはとても難しいと思うのです。
何かよいアドバイスがあれば教えて頂きたいと思い、
メールしました。
宜しくお願い致します。
この相談内容をまとめると、
①大叔父さまが親戚の葬式はすべて仕切ってしまう、
②葬儀社も大叔父がつれてきて派手にしたがる、
③近所に住んでいるから知らせないわけにはいかない、
④お父様は小さな葬式を希望しており大叔父さまの仕切りは望んでいない……
というところだと思います。
あなたの周りにも一人くらいこんな親戚がいるかもしれません。
親戚付き合いは、
こじれると後々厄介ですからなるべく穏便にすませ、
なおかつ本人(または喪家)の希望でもある「こぢんまりした葬式」を実現できる方法を考えてみましょう。
口うるさい親戚がいる場合には、
いろいろ応用が効くと思いますので、
参考にしてみてください。
ただすべて事前の根回しが必要ですから、
くれぐれも準備は怠らないように。
まず一つめ。
「大叔父様に反抗する」という考え方は、
ひとまず横に置いておいて、
「大叔父様に味方になってもらう」
ということを意識してみましょう。
西山さんの状況を見る限りでは、
大叔父様はかなりの「仕切りやさん」のようです。
でも、
裏を返せば
「仕切りやさん=面倒見がよい人」
と言えるのではないでしょうか。
たとえば、
大叔父様に「ここだけの話」として、
早いうちからお父様の希望を打ち明け(るようなそぶりで)、
小さなお葬式をすることを前提に、
しっかりと希望を叶えるにはどうすればいいかを相談する。
その上で、
大叔父様以外に頼る人がいないと伝えれば喜んで力になってくれるような気がします。
大叔父様には葬儀社の知り合いもいるみたいですので、
かえって話も早く、
運がよければ値段交渉までしてくれるかもしれません。
ただ、
そのためには、
ちゃんとお葬式の要望や予算を把握しておく必要があります。
お父様のご兄弟が亡くなったときの話を見てみると、
特に「こうしたい」という要望も伝えず(伝えられず)
大叔父様の好きにさせてしまったことが見えてきます。
でも、
こういう人は相手の要望さえはっきりしていれば、
ちゃんとそれに沿って仕切ってくれるものなのです。
わずらわしい交渉ごとなんかを全部代行してくれるはずです。
もう一つ、
お父様本人に発言してもらうのも有効なことです。
親戚付き合いが絡んでくると、
いくら一人で悩んでいても、
なかなか解決には結びつきません。
どうしても協力者が不可欠。
西山さんの場合はお母様。
今回のご相談の救いとしては、
西山さんのお父様がしっかりと意思表示をしており、
大叔父様に対して共通の認識を持っているということが大きいと思います。
そこでまずはお父様と、
お葬式について話し合いの場を持ちましょう。
もし、
お葬式の話を持ち出すきっかけがつかめなかったら、
「今日テレビでお葬式のトラブルが紹介されてて」
などと切り出すのはいかがでしょうか。
トラブルの事例なら、
この本にいくらでも載っています。
そして、
大叔父様の仕切りは自分も嫌だと思っているが、
かといって大叔父様本人に言うことは難しいということを率直に伝えて、
以下のとおりにしてもらえるか聞いてみてください。
ご親戚が近所ということであれば、
お盆やお正月、
法要など、
親戚が集まることも多いと思います。
そのときにほかのご親戚がいる前で、
お父様本人から大叔父様に「私のお葬式のことはお任せしますので、
こぢんまりした温かいお式にしてくださいね」とお願いしてもらうのです。
もちろん「縁起でもない」と注意されてしまうかもしれませんが、
ご親戚全員が証人になってくれますし、
大叔父様も皆の前で頼りにされたら悪い気はしないと思います。
もし、
それも難しいようなら、
お父様にお葬式の希望を一筆書いておいてもらうといいでしょう。
そして、
万が一のときには、
親戚が集まった前でそれを見せれば、
お父様の意思に反してまで、
大きなお葬式にはならないのではないでしょうか。
ただ、
これには注意点が一つ。
中身がわからないと遺言とみなされてしまいますので、
封書にしてはいけません。
封をせずに、
すぐに広げて見られるようにしておくことが必要です。
というのも、
遺言に封がしてあると、
開封するにも、
裁判所で検認の手続きが必要になり、
開けるのはだいぶ後になってから。
これでは意味がありません。
もっとも遺言書にお葬式の希望が書いてあっても、
法的効力はありません。
遺言で効力を発揮するのは、
財産、
相続、
身分に関することだけ。
でも、
お父様の希望を伝えるシールとしてだったら、
これ以上ない効力を発揮すると思いませんか。
それにこの目的は、
お葬式の希望を、
しっかり伝えて理解してもらうことです。
ですから、
この際、
書式やもろもろの細かいことは抜きにして、
誰が言いたのか、
何が書いてあるのかという、
「わかりやすさ」を第一に考えて、
試してみてください。
いかがですか。
親戚というものは子供のころは一緒に暮らしていた家族だったということも多く、
皆さん少なからず故人に対して自分なりの主張を持っているものです。
いくら今はご自分が一番近い存在だったとしても、
相手はそんなことお構いなしで、
好きなことを言ってくるものです。
いちいち気に病むだけ損ですから、
結果としてどうなれば一番いいのかを考えて、
行動してみてください。
きっと、
今までよりもストレスが少ない関係が築けるはずです。
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