こんな場合は葬式すら出せないのですか?

「葬祭扶助」が受けられる制度があるが、

審査は年々厳しくなっています。

 

以前、
こんな相談を受けたことがあります。

「父のことで相談させてください。

まだ現役なのですが去年の夏から病気になり、
入退院をくり返すような状態で、
お医者さまの話では、
もう治らないそうです。

いよいよ葬儀のことも考えなくてはいけないとは思うのですが、
生命保険を使っても、
入院費を払った後、
私には葬儀を出せるようなお金が残りません。

いろいろ調べてみると、
火葬だけするにもお金がかかるとのこと。

私のように、
本当にお金がない場合は、
どうなるのでしょうか:::」一言でいうと、
「火葬するためのお金すらないという場合には、
どうすればいいか」ということです。

「下流社会」なんていう言葉も広く遣われるご時世ですから、
こういうこともしっかりと知っておくべきなのかもしれません。

まず、
この方が言うとおり、
限りなく質素に「火葬だけ」をする場合でも、
最低5万円程度の出費は考えておかなくてはなりません。

火葬だけをするのでも、
葬儀社さんの手伝いが必要になります。

葬儀事前相談

内訳としては、
病院からの搬送・役所の手続き・火葬場の予約・棺一式の用意・ドライアイスなどの遺体保全処置・人件費・火葬場までの移動・骨壷……などです。

そのほかに、
火葬料金が別途かかります。

公営の火葬場の場合はだいたい1万円未満。

無料のところもあります。

民営の火葬場の場合は、
最低5万円は見ておかなくてはなりません。

ご住職にお経をあげてもらう場合や、
戒名をいただく場合、
納骨、
供養には、
これまた別途かかります。

火葬の費用くらいは国が持ってくれるといいのですが、
今の日本で人が亡くなると、
とてもお金が必要なのです。

それでは、
火葬をするだけのお金すらない場合は、
一体どうしたらよいのでしょうか。

解決策として、
葬儀費用を軽減する目的で、
補助金の制度がいくつかありますので、
そのお話をしましょう。

故人が、
国民健康保険または健康保険などの医療保険に加入している場合は、
保険加入者のお葬式を出した人に、
「葬祭費」「埋葬料」という名目で補助金が支給されます。

国民健康保険の場合の受給額は3万円~皿万円と、
自治体によって規定が違います。

一例をランダムにご紹介すると、
千葉県柏市は川万円、
東京都世田谷区は7万円、
愛知県名古屋市は5万円、
東京都小平市は3万円など。

このように地域によってまちまちです。

申請先でもある、
市区町村役場の保険年金課に問い合わすと教えてもらえます。

健康保険の場合の受給額は、
加入者の標準報酬額の一カ月分です。

10万円未満の場合は、
一律3万円が支給されます。

会社の総務の方にお願いすると、
手続きをしてくれるでしょう。

保険料の高い健康保険のほうが、
こういう場合は有利なのです。

そして、
医療保険のほかにもう一つ、
年金からの給付も考えられます。

保険料を3年以上納めた人が、
老齢基礎年金も障害基礎年金も受けないで亡くなった場合は、
生計を共にしていたご家族に「死亡一時金」として支給されます。

葬祭補助

金額は、
故人が保険料を納めた期間によって変わり、
3年で吃万円、
最高で塊万円。

医療保険・年金ともに、
気をつけなければならないことは申請しなければもらえないということ。

「税金や保険料は自動的に請求するくせに、
支給のときばっかり申請しろだと」と腹が立ちますが、
これが今の日本のルール。

労をいとわず、
もらえる物はしっかりと獲得しましょう。

この制度を知らずに、
受け取らないままの方が結構な数いるのです。

申請期限は2年。

心当たりのある方は、
ちょっと見直してみましょう。

2年以内ならまだ問に合います。

火葬を行うには少し足りない場合も考えられますが、
これで、
ある程度費用のめどがたつのではないかと思います。

ひとつ注意しないといけないのは、
どれも申請時に「葬儀の領収書」が必要なのです。

ということは、
まだ払ってもいない領収書を用意してもらわないとなりません。

どうしても、
葬儀社さんの協力が不可欠なのです。

お葬式を依頼する前に状況を話し、
協力してくれる葬儀社さんにお願いするのを忘れないようにしてください。

これまで、
お金がないという方の相談にも数多く対応してきましたが、
葬儀社を探す際に、
ちゃんと事情を伝えて根気よく探せば、
必ずわかってくれる葬儀社さんはあります。

このとき注意したいのは、
「1円でも安い葬儀社を」と考えないことです。

例えば、
5千円の差で選んだ葬儀社の対応がもし最低だったら泣くに泣けません。

そんなときは、
まず予算を決めて、
その予算以内で仕事をしてくれる葬儀社を数件あたり、
その中で一番対応が良かったところにお願いすると失敗しません。

①予算を決める←②予算内で複数の葬儀社に問い合わせる←③対応を見て選定する。

という順番で考えていきましょう。

もちろん「事前の準備」は必須です。

その際は必ず、
支払いの相談もしておきましょう。

それから、
「生命保険を葬儀費用に充てよう」と思っている方もいると思いますが;葬儀社からの請求は通常お葬式終了後すぐにやってきます。

書類を揃えて保険会社へ申請して、
2~3日で振り込まれれば早いほうですが、
予想以上に時間がかかったという話も耳にします。

「請求は来るわ、
保険金は下りないわ」なんて、
お葬式後の精神状態では堪えられるものではありません。

この場合も、
依頼する前に「代金は保険金で支払いたいのですが」と、
了解をとってからにしたほうがいいでしょう。

最後に、
お葬式を出す側の方が、
「生活保護」を受けていた場合のこともお話ししておきましょう。

お葬式を出す人が生活保護を受けていて、
なおかつ、
お葬式を出してもらえる親族がいない場合は、
「葬祭扶助」といって、
行政が火葬の費用を出してくれる制度があります。

これは、
私たちがお金をもらうのではなく㈲葬儀社からの請求が役所に行くという制度です。

金額は毎年変わるのですが、
平均で肥万円前後です。

葬祭扶助の場合は、
祭嬉一を飾ったりお経をあげたりといった「お葬式らしいこと」は一切できません。

火葬をするためだけの最低限の費用を補助してもらえる制度です(自治体によっては、
支給される費用内であれば、
お葬式一式を出してもかまわないというところがある)。

不況の折、
扶助が下りる審査も年々厳しくなってきているそうです。

まずは担当の民生委員の方に相談しておくのが確実です。