「なんで知らせなかった」と言われないための選択肢3つ

よくあるケースをご紹介します。

葬儀をする時、

お金は出さないが口は出す親戚の方がいるご家庭は

非常に頭を抱え込んでしまいます。

 

とくに、田舎の風習と都会では

同じ葬儀なのに全く違う儀式を行っているかのような

風習・慣習・しきたりがあります。

 

大事なことは、

自分たち家族がどうしたいか。

家族

トラブルにならないように参考にしてください。

 

大阪の北区に住んでいる高畑さんの実家は、

九州の高知です。

ご両親はずっと高知に住んでいたのですが、

数年前にお父様が亡くなり、お母様はその後、

お嬢さんのいる大阪に来て、

近くに部屋を借りて住むようになりました。

というのも、少し厄介な訳があったからです。

現在、高知のご実家にはお兄様がいて、

お父様亡き後、会社を継いで仕事をしているのですが、

お父様がご存命中からこのお兄様夫婦とご両親との折り合いが悪く、

ご両親のほうが実家を出てマンションで暮らしていたほど。

 

お母様が一人になってから大阪に越して来たのも、

お兄様たちとの仲が険悪になったからだったのです。

仲が悪い兄

何度か関係の修復を試みたこともあったそうなのですが、

すべて残念な結果に。

お兄様からは

「もう二度と母の顔は見たくない・葬式にも出る気はないから、勝手にやってくれ」

とまで言われてしまったそうです。

 

高知には、高畑家として懇意にしているお寺があり、

お父様のお墓もそこにあるのですが、

もしお母様が大阪で亡くなった場合、

高知まで戻ってお葬式をすればいいのか、

大阪でお葬式をして、

高知では納骨だけをすればよいのか、

お兄様にはもちろん、

誰に相談もできず、悩んでしまっていました。

 

お母様はもちろん、

お父様と一緒のお墓に入ることを望んでいます。

こういう場合のお葬式への心構えや段取りとは、

いったいどのようにすればよいのでしようか。

 

高畑さんの場合、

問題になっているのは、

「お兄様との折り合いが悪い」と

「地元との距離が離れている場合のお葬式の場所」の2点。

順番に考えてみましょう。

まずはお兄様の件。

かなりこじれてしまっているようですが、

お葬式の場合、無視するわけにもいきません。

ただ、今の状況を考えると、

このままの状態が続く限り万が一の時にはお兄様ではなく、

高畑さんが中心となって進めなくてはならないことになりそうです。

 

私からのアドバイスとしては、

お兄様への心情はともかく、

お母様に万が一のことがあったら、

現在の関係はいったん脇に置いておいて、

①危篤の状態のとき、

②お亡くなりのとき、

③葬儀の内容を決めるとき、

④日程が決まったときの4回、

お兄様に連絡することが必要だと思います。

葬儀の連絡

はたから見れば、

お兄様が喪主を務めるのが当然と思われるでしょう。

親戚や菩提寺から、

変な横やりが入るかもしれませんし、

他からの目が気になることもあるかもしれません。

お兄様がご両親の会社を継いでいるとするならなおさらです。

何か言われたその時に、

「連絡はしている」状態を作っておかなくてはなりません。

 

また、お兄様の言うまま、

お母様の万一を知らせなかったとしたら、

何年か後に、もしお兄様の気が変わった場合、

「なんであの時知らせなかった」

なんて文句言われるおそれがあります。

 

ですから、

高畑さんご本人のためにも、

万が一の時には「まるでこれまで何事もなかったかのように」

お兄様に細かく連絡することをお勧めします。

 

するだけのことはして、

もし途中で何か言われたとしたら、

後は手紙などで事後報告をしておけばいいでしょう。

 

次に、お葬式をする場所。

まず、

大阪から高知までご遺体のまま搬送すると、

20万円~40万円の費用がかかります。

 

霊柩車
もちろん、

長距離の移送をされる方も多くいますので、

決して不可能なことではありませんが、

高畑さんの状況を伺う限りでは、

あまり現実的ではないような気がします。

 

この場合、

考えられるのは3とおりです。

①大阪で火葬だけを行った後、お骨で高知に帰り、高知の菩提寺で葬儀(お骨葬)をする(四十九日の法要をあわせてもいい)。
②大阪で通夜・告別式・火葬までを行い、高知の菩提寺では、四十九日に納骨の法要のみを行う。
ただし、高知で葬儀を行った場合に参列するはずだった方も招待し、法要としては大規模なものを行う必要あり。
③大阪で通夜・告別式・火葬までを行い、再度高知でもお骨葬を行う(四十九日の法要をあわせてもいい)。

こうやって、場所の候補が複数ある場合の考え方は、

「会葬者の多くはどこから来るのか」を基準に決めていくとスムーズです。

高畑さんの場合は、大阪の知人や会社関係が多いのか、

高知の親戚や友人関係が多いのかを基準にするということになります。

先ほどのケースに当てはめると、

次のようになります。

高知からが多ければ←①。
大阪からが多ければ←②。
両方とも多ければ←③。

注意点としては、

大阪でお葬式をする場合も、

高知の菩提寺をなおざりにしないこと。

菩提寺のお墓に入ることが決まっているなら

なおさら失礼がないようにしなければなりません。

いよいよという時になったら、

必ず菩提寺へ連絡をして、

読経はどうしたらいいかを相談しましょう。

菩提寺から、

大阪のお寺を紹介してくださるのであれば、

そのお寺へお葬式の読経をお願いし、

高知から直々に菩提寺のご住職がお越しになるというのであれば、

お車代(旅費十1日5千?1万円程度)と、

宿泊の手配が必要です。

どちらにしても、

戒名は菩提寺からいただきます。

もしかすると、

お葬式に関しても指示があるかもしれません。

高知でお骨葬をするように言われたら、

①もしくは③になります。

②の場合、菩提寺からご住職が来ず、

お寺の紹介もない場合は、

葬儀社などにお葬式の読経だけを頼める

ご住職を紹介してもらうようになります。

その場合は、戒名だけを菩提寺からいただき、

四十九日法要の際に、合わせてお布施をお渡しします。

お葬式の場合、

今すべて決めておけないという部分が多いかもしれません。

でも、

頭の中でシミュレーションしておけば、

納得のいく内容になる確率も高いのです

 

大事なのは

ご家族がどうしたいかです。

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