ドライアイスの処置が終わっていても断る勇気をもって

寝台車を依頼した業者でも葬儀は別の業者でと断ることが出来ます。

どうしても納得いかないときは、勇気をもって断りましょう。

 

金額や対応に納得できないのに

葬儀まで依頼してしまうとトラブルのもとです。

葬儀 見積書

ご主人を亡くされた草刈さんには、
お子さんがいませんでした。

頼れる親戚もなく、
一人でお葬式を出さなければなりませんでした。

幸い、
ある程度の貯えもあったし、
参列者も本当に親しいお友達に知らせるだけ。

自宅からひっそりと送り出してあげようと思っていたので金額もそう多くはかからないと思っていました。

そこでまずは草刈さん、
電話帳をめくって葬儀社を選び、
家まで来てもらいました。

葬儀社からきた担当者はとても人あたりがよく、
安心した草刈さんは彼にお任せすることにしました。

詳しい打ち合わせをしながら見積もりを作ることになったので、
草刈さんの希望として「自宅からひっそりと送り出してあげたい」と伝えたところから、
担当者の営業トークが昨裂し始めました。

彼は、
草刈さんにたたみかけるように、
「自宅での葬儀は部屋の片付けが大変だし、
ご近所にも気を遣わせてしまいますから、
当社の会館を使ったほうがいいですよ」「当社の会館なら、
専門のスタッフがすべてお世話させて頂きますので草刈様の精神的なご負担も少なくてすみます」「ご主人の経歴からして、
このクラスの祭壇では故人様本人に恥ずかしい思いをさせてしまいます」などと、
延々とまくし立てたのだそうです。

結局、
一人で部屋も片付けられないし、
ご近所に迷惑もかけたくない。

そのうえ最近の葬儀がどんなものかもわからない草刈さんは、
勧められたとおり、
葬儀社の斎場を使って、
大きな祭壇を飾ることになってしまいました。

実際のお葬式は、
広い会場に立派な祭壇を飾りながらも、
参列者が別名弱という、
なんとも寂しいものだったそうです。

飾った祭壇が大きかった分、
費用もそれなりにかかってしまい、
会場費もバカになりませんでした。

実はこの草刈さん、
以前ご両親のお葬式を経験していて、
全く初めてというわけではありませんでした。

でも、
それは加年も前の話。

記憶があいまいなのと、
「今はこれが普通なのかしら」と思ったせいで、
ほぼ担当者の言いなりの状態になってしまったわけです。

私が体験談を伺ったとき、
草刈さんが、
「私がおばあちゃんだから、
きっとお金が取れると思ったのね」と、
残念そうに言っていたのが、
強烈に頭に焼き付いています。

このケースは、
葬儀社に依頼するのを決めるタイミングが早すぎました。

せめて、
提案や内容を聞いてから依頼するべきでした。

1社からしか話を聞かないということは、
お葬式の選択肢までも自ら1社に限定することになってしまいます。

これはとても危険なこと。

失敗を避けるためには、
最低2社からは話を聞きたいところです。

そして、
家まで来てもらうときに注意しておきたいこととしては、
葬儀社を「呼んでから」要望を伝えるのではなく、
最初の問い合わせの時に「自宅でひっそりと送りたい」など、
葬儀社を「呼ぶ前」に電話でご自分の要望を伝えて、
それに気持ちよく合わせてくれるところに来てもらうようにしましょう。

また、
「話を聞いてからいったん帰ってもらう」ということも、
とても有効な手段です。

担当者が目の前にいたのでは、
ゆっくり考えられないという場合も多く、
どうしても葬儀社の意向に引っぱられがちになります。

特に、
家族や親戚など、
自分の味方がいない場合は、
葬儀社の言いなりになりがち。

でも、
後悔しないためにもそこはしっかり勇気を出して、
「検討してから電話しますので、
いったんお帰りいただけますか」と、
はっきり伝えましょう。

「せっかく来てもらっているから」とか、
「ドライアイスまでしてもらっちゃっているから」なんて気にするよりも、
いったん帰ってもらって、
別の葬儀社をあたる勇気を持ちましょう。

気にすることなんてありません。

そこまでの料金を支払えばいいんですから。

ドライアイスの処置までが終わっている場合は、
検討して別の葬儀社をあたる時間くらいは充分取れるものです。

もう一つ・草刈さんの場合は、
葬儀社の特徴と、
ご自分の要望が合っていませんでした。

自宅葬を希望しているのであれば、
何も自社斎場を持っている葬儀社を選ぶ必要はありません。

斎場を持っていない出張専門の葬儀社で、
自宅葬プランを打ち出しているところを選ぶ方法もありました。

確かに、
現在の傾向として、
都市部を中心に自宅でのお葬式は少なくなってきています。

ご近所への気遣いや、
部屋のキャパシティの問題、
それに部屋の片付けと現状復帰の手間というリスクがあるため、
お葬式がしやすい斎場を選ぶ方が多いのです。

それでも住み慣れた我が家から送り出してあげたいと希望する方はいらっしゃいます。

部屋の片付けだって、
希望すれば葬儀社が人員を手配してくれますから、
自分ですべて片付けなければならないわけではありません。

ご近所への気遣いだってそう。

もしあなたの家のお隣でお葬式があったら、
迷惑だからやめてほしいと感じますか。

昨日今日のお付き合いでもあるまいし、
そんなこと思わないそもそも、
斎場を持っている葬儀社は、
自社斎場を使いたがるものです。

だって、
お葬式専用で使いやすく、
勝手もよくわかっていて、
自宅葬よりも大きな祭壇が飾れますから。

そのうえ会場費や光熱費まで計上できるので言うことナシ。

自宅葬のリスクを伝えた上で、
それでもお客様が希望するのであれば、
それを拒む理由は、
単純に葬儀社自身の利己的なものにほかなりません。

親身な葬儀社

忘れないでください。

 

葬儀社は1社だけではありません。

自宅葬を希望する場合や、
貸し斎場を使う場合、
葬儀社の場所も関係ありません。

隣町の葬儀社に来てもらってもいいんです。

大切なのは自分の要望を叶えてくれるかどうかです。

自分から選択肢をせばめるようなことだけはしないように、
くれぐれも気をつけましょう。

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