現地で火葬、もしくは陸路か空路で棺を移送する方法が

 

息子さんが旅行先の山口で事故に遭い、

亡くなったという知らせを受けたのは、

午前2時を少し回った頃でした。

有本さんは、

一瞬で血の気が失せ、

頭が真っ白になりながらも、

冷静な口調で対応できている自分を

客観的に見ているような気持ちだったといいます。

すぐにご主人を揺り起こし、

山口へ向かう準備をして、

朝一番で大阪を出発しました。

鎌倉のお地蔵さん
有本さん夫妻が山口の警察へ到着したのは、

午前11時すぎ。

自損事故だったこともあってか、

検視なども終わり、

ほどなくして引き取ってもいいという

指示が出ました。

しかし、困ったのはそれからです。

全く土地勘のない山口で、

この後どうすべきか見当が付きません。

とりあえず葬儀社だけは

警察から紹介してもらい、

すぐに棺を用意して持ってきてくれることになりましたが、

問題はその先です。

山口から大阪まで距離にして約450km。

有本さんご夫妻の考えとしては、

一度このまま家に帰してあげたいことだけは確かでしたが、

どういう方法があるかもわかりません。

困っていたところで、

警察から紹介された葬儀社が到着しました。

「このままの状態で、大阪まで帰りたい」と伝えると、

その葬儀社は

「では、地元で引き継ぐ葬儀社を決めてください」

とのこと。

どうやら、

山口の葬儀社が大阪まで陸路で搬送し、

大阪の葬儀社が引き継ぐという流れのようです。

なので、

今度は大阪の葬儀社を探さなければなりませんが、

何しろここは山口。

大阪の葬儀社なんて、

全く情報がありません。


とりあえず1時間ほど時間をもらえたので、

有本さんのご主人がスマートフォンで

調べることになりました。

ご主人は、

ホームページを検索しながら

大阪の葬儀社に目星をつけ、

今の状況を問い合わせました。

幸い、

最初にかけた葬儀社が

快く引き受けてくれるとのこと。

「ドライアイスさえしっかりしておいてもらえれば、移送が長距離でも全く問題ないですよ」と、

元気付けてもらえました。

 

一方、

息子さんのそばに残った有本さんは、

葬儀社に搬送料金のことを聞いていました。

 

寝台車の搬送料金は、

必要な装備の費用と距離で決まるとのこと。

 

山口から大阪まではだいたい15万円で、

そのほかに棺やドライアイス、

運転士のサポートをする人員の人件費など合計で30万円弱。

 

予想以上に高額でしたが、

それでもお願いすることにしました。

戻ってきたご主人にもそのことを話し、

ご主人が見つけてきた大阪の葬儀社と

山口の葬儀社とで連絡を取ってもらいながら、

ようやく帰途に就くことができました。

 

若くして亡くなってしまった息子さんのお葬式は、

学生時代の友人などにも多く参列しもらえ、

大好きだったオートバイやヘルメットを展示してもらい、

満足のいくものになったそうです。

有本さんのように、

長距離の移動が必要になるケースは

いつも突然起こります。

 

地方から都市部の病院に転院していた場合なども

そうだと言えるかもしれません。

 

必ずしも

地元でお亡くなりになる方ばかりではないのです。

 

いつ自分の身に降りかかってくるかわからない、

「遠隔地で家族を失った場合の選択肢」

をご紹介しておきましょう。

 

1.現地で火葬

現地で火葬だけをし、

地元に帰ってお骨葬をする

長期入院で看取った場合などは、

これが一番多いのではないかと思います。

 

現地で火葬までを終え、

すぐに地元に帰ってお骨葬をする場合もあれば、

四十九日法要にあわせて帰る場合もあります。

 

葬儀社同士の連携は全く必要ありませんが、

喪家は菩提寺と密に連絡を取る必要があります。

2.陸送

現地から地元まで、

陸路で移送する

今回の有本さんのケースです。

現地の葬儀社と地元の葬儀社で連絡を取ってもらい、

陸路で移動します。

深夜には割増料金になりますし、

高速代などが別にかかります。

3.空路

現地から地元まで、

空路で移送する距離によっては、

空路のほうが費用負担を抑えることができます。

 

鎌倉 大仏
流れとしては、

現地の葬儀社に、

空輸に耐えられるように棺を梱包してもらい、

死亡診断書の写しを用意して手続き後出発。

 

地元の葬儀社には

空港まで迎えに来てもらうように

手配しておきます。

 

空港を経由する場合は、

経由地の葬儀社に中継ぎをしてもらわないとなりませんので、

葬儀社ごとの連携を密に取ってもらう必要があります。

 

国内の飛行機輸送費用は、

1kgあたり400円前後。

棺やドライアイス、

ご遺体などすべてを含めると

約100kgくらいにはなりますので、

計算すると約4万円。

 

それに飛行機の料金、

棺や人件費、空港までの搬送料金など、

搬送に必要な諸費用が加算されていきます。

 

おおよそですが、

1000mで20万円前後と考えておくといいでしょう。

 

 

こちらでは、上記の手続等のご相談・手配が可能です。

個人では難しい葬儀社間のやりとりを

お任せいただけます。

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